男性にHPVワクチンを打つことってできるの?
子宮頸がんのワクチンのことをHPVワクチンともいいます。
子宮頸がんは女性特有の病気です。
なので、HPVワクチンは女性専用のワクチンであるように
考えている人もいるでしょう。
ですが、HPVワクチンは男性にも効果があることがわかっています。
そもそもHPVとはヒトパピローマウイルスのことです。
つまりインフルエンザウイルスの予防になるインフルエンザワクチンみたいな感じで
HPVの感染を予防するのがHPVワクチンです。
子宮頸がんの原因になるHPVは男性にも感染します。
また、HPVに感染している男性との性交渉によって女性は感染します。
そして十年程度かかって子宮頸がんが発症するのです。
そのため、男性もHPVワクチンを接種した方がよいといえます。
なぜなら、男性がHPVに感染しなければ
性交渉のパートナーになる女性がHPVに感染する可能性が減るからです。
つまり
男性がHPVワクチンを受ける
↓ ↓ ↓
男性がHPVに感染しにくくなる
↓ ↓ ↓
性交渉のパートナー女性にHPVをうつしにくくなる
↓ ↓ ↓
女性が子宮頸がんになり命を落とす可能性が減る
ということです。
実際、米医学誌「New England Journal of Medicine」2月3日号において
男性にHPVワクチンを接種する意味があることを裏付ける研究結果が掲載されています。
以下Gardasilは若年男性のHPV予防にも有効との研究結果より引用です。
(注:GardasilはHPVワクチンの一種です)
引用ここから
米医学誌「New England Journal of Medicine」2月3日号に掲載された研究(同薬の製造元である米メルク社の資金援助によるもの)では、10代後半の少年および若年男性において同薬に90%の有効性が認められたという。「今回の研究は、HPV予防の目的で若い男性にワクチンを接種することが有益であるとの考えを裏付けるものである」と米国社会保健協会(ASHA)HPV情報センターのFred Wyand氏は述べている。
Gardasilは、女性の子宮頸癌の原因となるいくつかのHPV株(16型、18型)に対して防御効果を有する。HPVには外陰癌、肛門癌および咽喉癌との関連も認められている。米国食品医薬品局(FDA)は2008年に女性を対象に、また2009年には9〜26歳の男性を対象に同ワクチンを承認している。米国疾病管理予防センター(CDC)は、学校で11〜12歳の女児を対象に同ワクチンの接種を開始することを推奨しているが、男児および男性に対するルーチン使用についてはFDA諮問委員会で否決されている。
375ドル(約3万円)を要する同ワクチン接種は女性の間での普及率は低く、昨年(2010年)発表された米メリーランド大学(カレッジパーク)の研究によると、ワクチン接種を受けた10代の少女のうち3回の接種を完了したのは3人に1人であり、約4分の3は一度も接種を受けていなかった。しかし、今回の研究の著者である米H. Lee. Moffitt 癌センター(フロリダ州タンパ)のAnna Giuliano氏は「男性へのワクチン接種により、本人への直接的な利益にとどまらず、コミュニティーでの集団的効果も期待できる」との考えを述べている。
引用ここまで
こんな感じで男性もHPVワクチンを受けたほうが
女性の子宮頸がんを減らすことにつながるわけです。
もちろん、男性にだってHPVによって陰茎がんを起こすことがあるので
HPVワクチンを受けたほうがよいでしょう。
実際、こちらの日本人男性は日本でHPVワクチンを受けたそうですよ。
⇒男性だけど子宮頸がんワクチンを打ってみた。
こちらも参考に!⇒男性にも感染するHPVの潜伏期間はどれくらい?
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